バイキングのおっさんプログラマー稲田です。
新型コロナ感染拡大防止対策としてバイキングでも3月下旬より
全社テレワーク化の準備を進めてきました。
段階的にテレワーク化を進め、先週末でようやくほぼ全社のテレワーク移行が
完了しましたのでそのご報告を兼ねて、バイキングでどのように
テレワークに移行したのかを可能な範囲でご紹介したいと思います。
まず、今回のテレワーク移行前のバイキングの状況は以下の通りです。
・社内に約140名が勤務(外部スタッフ含む)
・プロジェクトは30〜40人規模が多い
・開発受託業務が多く、セキュリティが厳しい
・開発機材はデスクトップPCとモニター2台。
プロジェクトにより専用機器を使用。
・開発リソースは社内サーバー上に配置している
・顔を合わせて頻繁に意見の交換をしながら試行錯誤する
開発スタイルを採っている
・今までに数名のリモートワーク実績がある
正直なところ、最初は全社テレワーク化とか無理ではないかと思っていましたが
多くの人の知恵と行動力のお陰で実現することが出来ました。
テレワーク移行までに行った項目を順番に整理していくと以下の通りです。
1.テレワーク用機材の手配
まず初めに問題となったのが機材をどうするかでした。
各人が必要なスペックのPCを所有しているわけではなかったし、購入し揃えるには費用も時間もかかってしまいます。
いろんな面を考えると今会社で使用している環境をそのまま持って帰るのが一番早いという結論になりました。
ということで、バイキングでは会社の機材を持ち帰るという方針を選択しました。
各クライアント様やプラットフォーマー様のガイドラインに従って、輸送中はSDKをPCから削除したりストレージの暗号化などの対応も行いました。
テレワーク中に出社しても機材が無いというのが最大のデメリットですが、
スペックやセキュア的な部分が担保できるメリットは大きかったと思います。
2.機材配送の手配
そうすると次の問題は約140人分の機材をどうやって運ぶかです。
他社さんの事例からも業者さんを使った配送に関しては手配出来ないのではないかと諦めかけていましたが、
プロデューサーのYさんの尽力でなんとか業者さんによる機材の配送と梱包材の手配が出来ました。
一部秘密保持のために第3者による配送を使えない場合もあったので、タクシーや自家用車での配送も併用しました。
3.持ち帰り機材リストの作成
次に取り掛かったのが持ち帰る機材のリスト作成です。
前から機材管理システムを社内で作成し運用をしていましたが、管理抜けが無いかの再確認などを行う必要がありました。
もともとシステム管理していたとはいえ、この作業だけでもかなりの大仕事でした。
4.VPN接続環境の整備
機材の確認と同時に各人のPCにVPN接続設定をし、外部回線を使って接続テストも行いました。
全PCに対して行うのは手間でしたが、テレワーク移行後のトラブル減少に大きな効果があったと思います。
個人単位でVPNアカウントを発行するには社内のルータを上位機種に変更する必要があったのでそれも行いました。
5.テレワーク移行スケジュールの確定
同時に全員がテレワーク化すると大きな混乱や問題が起こる可能性を考え、3つのグループに分け段階的にテレワーク化することにしました。
各プロジェクトにテレワーク移行優先メンバーリストを作成してもらい、それを元に3つのグループのリストを作成しました。
テレワークへの移行時に起こった問題を解決できるようにサポートメンバーの配置と解決に要する期間を想定しながらスケジュールを考えました。
実際には第1グループの移行開始後から状況を見ながらリストとスケジュールを確定していきました。
最終的な各グループの人数と実行スケジュールは以下の通りとなりました。
第1グループ 約60名 機材出荷 4月9日(木)
テレワーク開始 4月13日(月)
第2グループ 約55名 機材出荷 4月15日(水)
テレワーク開始 4月17日(金)
第3グループ 約20名 4月17日(金)以降順次
第3グループの配送に関してはタクシーまたは自家用車での配送で対応し
各自でテレワーク移行できると判断した日から順次移行していきました。
かなり簡潔になりましたが、ここまでがバイキングのテレワーク移行の流れとなります。
この他にも
・テレワーク中の勤怠ルールの策定
・コミュニケーション手段の検証
・トラブルシューティングフローの策定
・各プロジェクト単位のルール策定
・緊急連絡フローの周知
・テレワーク終了時の機材返送方法
・ネットワーク環境が無い人への対応
など様々な事を同時に決めていきました。
移行時に多かったトラブルは以下となります。
・機材破損
PCモニターが数枚壊れました。
梱包を自分達でやったので仕方ないですね。
・機材動作不良
電源を入れても何も映らないとう報告が数件ありました。
メモリ、グラフィックボードなどの接続不良が原因で、
差し直すことで基本的に解決しました。
輸送時の振動などが原因なのでしょうね。
・自宅からの接続不良
自宅から繋がらない報告が数件ありました。
ルータの設定を変更してもらうことで解決することが多かったです。
中にはプロバイダとの契約を変更してもらったりもありました。
マンションタイプは難しいパターンがあって、1例だけ解決できませんでした。
その人は企画職だったので別の手段でなんとか
業務を行ってもらうことにしました。
ざっと大きなトラブルは以上で、想定よりもかなり少なく済みました。
上でも書きましたが、事前に社内から接続テストを行ったのが良かったのかも知れません。
最終的に今週からは第3グループのメンバーも数名を残してテレワークに入ることが出来ました。
テレワーク率で言うと約98%という結果です。
これが現在の社内の状況です。
3密は避けれてそうですね。

すでにテレワーク移行を完了されている会社様も沢山おられるので
今更な情報だとは思いますが、もし参考になれば幸いです。
少しでも早くこの事態が好転するように
バイキングも尽力していきたいと思います!